一年のあゆみ_2024年度
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カンドリヒデキ生命科学の研究の進展に顕著な功績をあげ、引続き活躍中の方を、学会代表者・当財団役員・評議員・諮問委員および既上原賞受賞者へ推薦願い、14件の候補者の中から2件が選ばれました。1984年3月京都大学 理学部(物理学教室)卒業1989年3月京都大学 大学院理学研究科(生物物理学専攻)博士課程修了1990年4月分子科学研究所 博士研究員1992年11月理化学研究所 博士研究員1993年12月京都大学 大学院理学研究科(生物物理学専攻)助手1999年1月京都大学 大学院理学研究科(生物物理学専攻)講師2001年11月名古屋工業大学 大学院工学研究科 助教授2003年4月名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授2022年4月名古屋工業大学 特別教授(称号付与) 2005年に始まった光遺伝学は、光応答性タンパク質を動物の脳に発現させることにより動物の行動を光で厳密に制御することを可能にし、脳研究に革新をもたらした。 光遺伝学に欠かせないツールであるチャネルロドプシンや光駆動ポンプなど微生物ロドプシンの研究に於いて、最先端の分光学的手法を適用することで、光がどのような反応によってタンパク質に取り込まれ、それがどのように機能に繋がるのかというメカニズムを解明した。 さらに、得られた分光データを活用して、光駆動ナトリウムポンプ、内向きプロトンポンプ、新規チャネルロドプシン、酵素ロドプシン、ヘリオロドプシンといった数々の新しいロドプシン機能を発見した。 機能の創成については、光駆動プロトンポンプを1アミノ酸の変異によりクロライドポンプへと転換したことを端緒として、光駆動カリウムポンプ、光駆動セシウムポンプやキメラロドプシンの創成を実現した。 発見した新規チャネルロドプシンと創成したキメラロドプシンは失明◎略歴◎受賞対象となった研究業績「光遺伝学的視覚再生の基盤ツールとなるロドプシンの開発研究」1) 上原賞(研究業績褒賞)6 (理学博士)名古屋工業大学 大学院工学研究科 特別教授患者の視覚再生ツールとして開発が進められており、社会実装が期待される卓越した研究業績である。神 取 秀 樹

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