ユザキミチスケ1985年3月自治医科大学医学部卒業1985年4月大阪急性期・総合医療センター・大阪府健康医療部1989年4月自治医科大学大学院 博士課程入学(香川靖雄教授)1991年 4月自然科学研究機構基礎生物学研究所 内地留学(御子柴克彦教授)1992年4月日本学術振興会 特別研究員(DC2)1993年9月米国Roche分子生物学研究所 博士研究員 HFSP Long-term Fellow1995年12月米国St. Jude Childrenʼs Research Hospital 助教授米国St. Jude Childrenʼs Research Hospital 准教授慶應義塾大学 教授(医学部・生理学)2002年11月2003年4月2010年4月文部科学省・脳科学研究戦略推進プログラム プログラムオフィサー2016年4月AMED・脳科学研究戦略推進プログラム プログラムスーパーバイザー2020年1月日本神経科学学会会長(〜2023年12月)2021年10月慶應義塾大学大学院 医学研究科委員長(〜2023年9月)2022年10月慶應義塾大学WPI-Bio2Q 拠点長特別補佐2023年10月日本学術会議会員 神経科学分科会委員長・研究評価分科会幹事 脳を構成する神経回路では、神経細胞のつなぎ目である「シナプス」を介して情報が伝達される。 うつ病、統合失調症、自閉スペクトラム症、認知症などの精神疾患や発達症の多くは、シナプスの機能や構造の異常に起因する「シナプス症」であることが近年提唱されている。 しかし、その分子機構については未解明な点が多い。 そこで神経回路がより単純である小脳をモデルとして、記憶・学習の基礎過程であるシナプス可塑性(LTP/LTD)を担う分子機構の解明を進め、その成果を海馬や大脳など他の脳部位にも適用できる一般原理として発展させた。 これらの知見に基づき、in vivoにて可逆的にLTDを操作できる光遺伝学ツールを開発し、小脳の特定シナプスでのLTDと運動学習との因果関係を実証した。 またシナプス形成分子Cbln1の発見を契機として、補体C1qファミリーに属する新しいシナプス形成分子群を世界に先駆けて発見し、その動作原理を確立した。 また、これらの分子群の機能と構造に基づり、学習・記録機能や運動機能が著しく改善することを示した。 シナプス修復を目指した新しい治療戦略としての発展が期待される◎略歴◎受賞対象となった研究業績「新しいシナプス接着機構の解明と神経機能操作法の開発」(五十音順、敬称略) 7(医学博士)慶應義塾大学 医学部 生理学 教授き、興奮性シナプスを誘導する人工シナプスコネクター(CPTX)を開発し、アルツハイマー病や脊髄損傷モデルマウスへの投与によ独創的な研究業績である。柚 □ 通 介
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