一年のあゆみ_2024年度
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以上、今回選ばれましたお二方は、それぞれユニークなアプローチで独自性のある科学を展開して来られました。 お二方の研究が、益々の発展を遂げられることを心からお祈り申し上げます。続きまして、助成金の選考の結果についてご報告申し上げます。 まず500万円の研究助成金ですが、今年は476件の応募の中から85件が採択されました。 最近2年以内に独立した研究者の立ち上げを援助する研究推進特別奨励金は、22件の応募の中から、10件が採択されました。 若手研究者を対象とした研究奨励金ですが、255件の中から、100件が採択されました。続きまして海外留学助成でございます。 まず海外留学助成金ですが196名の応募の中から、55名が、若手海外留学支援金は110名の応募の中から、36名が採択されています。 またこの中でも卓越した応募者を2年支援する留学助成に関しては、8名が選ばれました。 この結果併せて91名の若者が海外留学支援を受けることになりました。上原記念生命科学財団の支援のもと、この方達が海外で大きく羽ばたいてほしいと願うものであります。 そして、来日研究生助成は10件、国際シンポジウム開催助成金は19件が決定されました。 本年度も各選考にあたって選考委員各位には大変なご尽力をいただきました。 選考委員会議長として各委員のご助力に深く感謝する次第であります。私は科学研究の目的は「知の地平の開拓と人類の健康と福祉に貢献すること」と思っております。 そして非常に幸いなことに、生命科学研究はこの両者が自然とつながっており、研究者個人の知的好奇心に基づいた科学研究を推進することが、まっすぐに人類の健康に結びついているのではないかと思います。 本日上原賞を受けられる両博士の研究もまさに知の地平の開拓と人類の健康の増進に多大な貢献をするものとなっています。 両博士は、あるいは研究当初から人類の健康並びに疾病の克服という高邁な精神から研究を始められたのかもしれませんが、それが見事に結実していますし、もちろん人類の知の地平の開拓ともなっています。今日、助成を受けられる皆様には、是非研究者個人個人の個性を大いに発揮して、多様で独自性の高い研究を進めてほしいと願っております。 人工知能AIの目覚ましい進化の時代を迎えた現在、真に独創的な研究を推進することが難しくなってきているかもしれません。是非、皆さんの知的好奇心を深化させ、各々の分野のbreakthroughを作り出して欲しいと念願しています。 選考にあたったものとして、それを実現していただけたら、それ以上の幸せはありません。 皆様の今後のチャレンジに大いに期待いたします。最後に、先ほどの上原理事長のご挨拶にもございましたが、本年は財団設立40周年という節目の年にあたり、私も検討委員会の一員として指名をいただき、現在財団改革検討委員会で議論を重ねているところであります。 新しい時代に即した、研究者の研究意欲を一層高められるような魅力ある助成事業・褒賞制度になるよう進めて参りたいと考えております。 以上で、私のご報告、ご挨拶とさせていただきます。 皆様、本日は誠におめでとうございます。32選考経過報告

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