最後に、若手研究者の皆様に二つの言葉を贈りたいと思います。一つは 「志は高く、姿勢は低く」 もう一つは 「よい研究には、よき共同研究が不可欠である」共同研究の成否は、研究内容や能力だけでなく、その人の人間性にかかっています。 どれほど優秀であっても、独りでは研究は進みません。 日々の研究は、共同研究者、先輩、後輩、同僚、そして家族の支えによって成り立っています。 私が今日まで研究を続けてこられたのも、多くの方々のご助力があったからこそです。今の時代、分野を超えた連携が不可欠ですが、これを可能にするのは「人間性」であると、私は強く感じています。 私は常に「人を助けたい」と願っております。 それは「自分もまた助けられてきた」からです。 どうか、皆様も周囲への感謝を忘れず、謙虚な心で日々研鑽を重ねてください。 今回ご受賞されたお二人の博士が、分野を超えた共同研究を実践されていると伺い、その思いを一層強くいたしました。そして次は、皆様が後進を育てていく番です。 研究とは、決して一人で完結するものではありません。 支え合いながら継続され、次世代へと受け継がれ、新たな発見へとつながる営みであると、私は信じております。以上、簡単ではございますが、上原記念生命科学財団ならびに本日ご参集の皆様の益々のご発展を心より祈念申し上げ、私のお祝いの言葉とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。34ご来賓 祝辞
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