一年のあゆみ_2024年度
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外に車を購入して住みました。 通勤は約1時間、電車と地下鉄このたび、2023年5月から2025年3月まで、米国ニューヨークのHospital for Special Surgery (HSS)にあるOrthopedic Soft Tissue Research Group(Dr. Scott Rodeo研究室)に留学しました。 このたび寄稿の機会を頂きましたので、私の研究および留学生活について報告させていただきます。HSSは整形外科分野において全米トップレベルの診療・研究機関とされており、日々多数の手術が行われる一方で、活発な研究活動も展開されています。 年間手術件数は4万件以上あり、ンハッタン都心部に主病院がある他、サテライト的にマンハッタン内外に沢山の病院を構えています。 病院のすぐ向かいに研究棟が併設されており、臨床検体が迅速に研究に活用できる体制が整っており、基礎・臨床研究が日々行われていました。 HSSは研究費も年間100億円以上の助成金や基金を獲得しています。 私の所属した研究室も同棟にあり、靭帯・筋□・骨・免疫・バイオメカニクスの各分野に特化した専門家により構成されており、各領域の研究を相補的かつ集学的に行っていました。私は膝前十字靭帯損傷後の変形性膝関節症(OA)の予防に関する研究を担い、①ACL再建膝のメカノバイオロジーに着目した骨-□間癒合の促進と、②ACL再建術後のOAリスク因子の解明に従事しました。 無事に帰国までに結果が一通り出そろい、英語論文の投稿準備中です。研究室には私のような国外からの留学研究員が多くいた他、米国の医学生もいました。 特に医学生は競争率の高い整形外科医になるために必死で、優秀でありながら研究に勤しみ業績づくりに励んでいました。 幸い、研究室の雰囲気は非常によく、メンバーは皆優しく協力的でした。 お互いに助け合いながら研究生活を送った仲間は、一生の友達です。私は妻と娘(4歳)と留学しましたが、都心部の家賃は高額であり、生活環境も良いとは言えなかったため、緑あふれる安全な郊に乗っていました。 インフレによる物価高騰に加え、円安がどんどん進み、予定以上に出費がかさみ、経済的には非常に苦労もありましたが、せっかくの機会でもあり、年に3-4回は遠方に旅行するなど、家族で留学生活を最大限楽しみました。 娘は現地の学校や幼稚園に通い英語を習得するなど貴重な経験をしました。 大きな事故もなく、家族にとっても非常に意義深い経験となりました。最後になりましたが、このような貴重な機会をいただけたのは、ひとえに上原記念生命科学財団のご支援のおかげと感じており、心より感謝しております。 今回の留学で得た知見と経験を、今後の研究・診療・教育に活かし、日本の医療のさらなる発展に寄与したいと考えております。 今後もご期待に添えるよう頑張りたいと思います。 誠にありがとうございました。Hospital for Special Surgery鈴 木 裕 貴北海道大学大学院医学研究院整形外科学教室Hospital for Special Surgery留学記アメリカ東海岸 New York一流の整形外科医が数多く在籍しています。 ニューヨークのマ 56←研究室のクリスマス会

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