寒さや厳しさを経験しつつ、春の到来を心待ちにしております。 2024年7月からアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンにあるBrigham and Womenʼs Hospitalに研究留学をしております、中澤信博です。 今回、上原記念生命科学財団より海外留学助成のご支援を賜り、長年興味を持っていた米国での研究留学を実現することができました。 まずは多大なご支援ならびにお力添えに心より感謝を申し上げるとともに、留学記についてご報告させていただきます。まずは所属している研究室についてですが、MPE (Molecular Labに所属しています。 ハーバードは大規模な前向きコホート研究が非常に充実していて、その貴重なコホートを使用する形で 、大 腸 癌 の 免 疫 細 胞 を 含 め た 癌 微 小 環 境 の 研 究 や 、Microbiome研究、国際共同研究では大規模な遺伝子解析も含めて、日々研究をしております。またアメリカでは若年発症の大腸癌が社会問題となっており、それらの機序解明にも研究室は精力的に研究を継続していて、まさに分子病理学、免疫学、微生物学、そして疫学を融合した研究に触れることができております。 日本でも消化管癌の癌微小環境やMicrobiome研究、また薬剤耐性のバイオマーカー研究に従事していましたが、まさにそれらの分野を融合した研究ができており、日々貴重な体験をさせていただいております。 もちろん苦労することも多いですが、それでも毎日何か一つでも納得のいく研究に近づけるように、引き続き精進してまいりたいと思っております。一方生活面に関してですが、ボストンの冬は非常に寒く、今年は雪も多く降り積もることも多々ありました。 日本とはまた違ったボストンは、アメリカでは最も歴史のある都市のひとつですが、まさに歴 史 、文 化 、スポ ーツ、そしてハ ー バ ード大 学 や マサチューセッツ工科大学を中心とした学術都市でもあり、非常に情緒もありながら多国籍の方々がふれあえる街並みが魅力的です。 今年はドジャースがフェンウェイパークに試合に来るので、野球観戦も非常に楽しみにしております。正直、言葉の壁に打ちひしがれることもまだ多いですし、苦労することも多いですが、野村監督が残した「もう駄目だではなく、まだ駄目だと思いなさい」という言葉を胸に、前向きに明るく楽しく生活を送りたいと考えております。最後になりますが、留学の機会を与えていただいた群馬大学総合外科の調憲先生、消化管外科の佐伯浩司先生、ラボのPIであるProf. Oginoとラボのメンバー、そして留学のご支援をしていただいている上原記念生命科学財団に心より感謝の意を表し、留学記とさせていただきます。 Harvard Medical SchoolBrigham and Women's Hospital中 澤 信 博群馬大学大学院医学系研究科総合外科学講座消化管外科学分野ボストンでの研究生活アメリカ東海岸 MassachusettsPathological Epidemiology) & EOC (Early-Onset Cancer) 62←Harvard Medical Schoolにて
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