臓に発現をしており、免疫細胞の数や性質の調整に関与してい私は、2022年4月より、マサチューセッツ州ボストンにあるタフツ大学医学部免疫学分野Alexander Poltorak研究室に留学をしていました。ボストンは大西洋に面した東海岸の北部に位置する港町で、アメリカ独立の中心地として知られ、歴史的な名所が数多くあります。 また、街中にも多くの自然を残しており、チャールズリバー沿いの美しい春の桜や秋の紅葉、夏のボストン港でのホエールウォッチングなど、四季折々の風物詩を楽しむことができます。を外し写真に収めたくなる格別の景色です。 文化面では、ボストン美術館をはじめとした数多くの美術館があり、ボストン交響楽団もクラシック音楽や映画音楽で有名です。 スポーツでは、MLBのレッドソックスやNBAのセルティックスがボストンの人々の誇りで、特に愛されています。タフツ大学は、ボストン郊外のメドフォードにメインキャンパスを置く私立大学で、1852年に設立されました。 歯学部および医学部は、ボストンのダウンタウンのタフツ大学病院に併設されています。 また、作家の村上春樹氏がタフツ大学の客員研究員として滞在していたことでも知られています。 歯学部には日本人留学生も継続的に在籍しており、病院の歯周病科には日本人の先生もいらっしゃいました。私が所属している医学部免疫学分野は、自然免疫、獲得免疫、老化と免疫、ウイルスに対する免疫等、免疫学の中でも専門分野の異なる6つのラボがワンフロアに集まっており、実験機器を共有しながら研究を行っています。 また、近くに名門のハーバード大学やMIT、ボストン大学などがあり、ヨーロッパからも比較的近いため、毎週のように高名な講師の先生を招いてセミナーを開催し、超一流のラボ・研究者に追いつくために熱心に勉強していく負けん気やハングリー精神のような機運があるのも特徴の一つと感じています。Tufts University School of Medicine田 村 光タフツ大学留学報告 アメリカ東海岸 Massachusetts特に雪化粧したビーコンヒルの石畳は、つい寒さを忘れて手袋65 新潟大学医歯学総合研究科歯周診断・再建学分野私の所属するPoltorak研究室は、免疫学の中でも自然免疫学を専門とし、特に炎症や細胞死に関する基礎医学を遺伝子レベルで研究しています。 私は、LPSに起因した急性炎症による致死性に抵抗する遺伝子の同定ならびに作用機序の解明を行っています。 日本の九州に由来し、LPSに対する免疫反応が異なることで知られるMOLFというマウスを交配に用いて、遺伝子解析を行ったところ、ある性ホルモンの受容体が同定されました。また研究を進めていくと、そのホルモン受容体は骨髄細胞や脾ることや、同じ遺伝子の変異に起因するにも関わらず、その作用に性差があることもわかってきました。将来的には、現在研究していることと歯周病の重症化との関連を調べたり、ここで得た免疫学研究の知識や技術を歯周病病態の解明や新たな治療法開発の研究に活かしたいと考えています。
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