の主催でも参加可能なものが多くあります。 英語のリスニング医学部3年生の時に大学の基礎研究室配属としてアメリカのミシガン大学、人工心肺の研究室で3か月、ボランティアをさせてもらう機会がありました。 当時外科医になるために研究知識をつけるという目的で研究室に所属し、医学部入学をめざしている研究者の下につき、日本とのシステムの違いに驚きました。 その後15年以上たち、その方は現在外科医として働いています。 この経験から、医師になったら留学して本格的に研究すると心に決めました。 帰国後は部活に専念し、臨床実習を終え、なんとか卒試と国試を通過し研修医から耳鼻咽喉科へと進み、楽しく忙しく過ごしている間にあんなに高かった研究留学へのモチベーションは消えかけていました。 そんな時に現在の上司である国際医療福祉大学の岡野光博先生のもとで臨床に加えて大学院生として研究指導してもらえる機会をいただきました。 知識も技術もない状態からなんとか研究者っぽく論文作成や学会発表ができるようになり、ちょうどパンデミックが落ち着いたこともあり、ついにノースウエスタン大学のアレルギー免疫学に留学する機会をいただきました。 慢性副鼻腔炎の組織を用いたバルクRNA解析や、抗体薬の作用機序についての研究で、実験もありますがデータ解析が中心となっています。渡米直後は身分証明書をとったりマンションや電気の契約、銀行口座の開設など生きた英語が必要となりますが、臨床医として充実した生活にかまけて英語の勉強をおろそかにしていたことを後悔しました。 心を入れ替え、実験や解析をしていない時間はできるだけ英語の勉強に充てることとしました。ノースウエスタン大学は毎日と言っても良いほどどこかでセミナーや講演が開催されており、アレルギー免疫分野はもちろん癌分野、分子生物学や統計学など自身が所属していない部署向上のためだけでなく研究に生かせる知識が得られ、例えば統計セミナーを一通り聞くと、公開データを用いてR言語でのシングルセル解析ができるようになりました。 また隣接する研究室に所属するインドや中国、台湾、ナイジェリア、ドイツ、カナダ、レバノンなどからの留学生と話せば、学校で習うことのない普段使いの言葉を学ぶことができます。 ニュースからは英語だけでなく戦争、差別など日本であまり馴染みのない放送内容に考えさせられます。私は夫を日本に残して留学しましたが、私が楽しく充実した生活しているのを見た夫も希望を出し来年から海外赴任となりました。 これに伴い私も研究継続のため進路を検討しています。家族にまで良い連鎖を生む留学という機会をご支援いただいた上原記念生命科学財団の皆様に心より感謝いたします。Northwestern UniversityFeinberg School of Medicine岡 愛 子国際医療福祉大学医学部耳鼻咽喉科ノースウエスタン大学留学までの道のりとこれからアメリカ中央部 Illinois 72←シカゴは昼も良いですが、夜景がきれいです。
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