一年のあゆみ_2024年度
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私は2022年12月より、米国ワシントン州シアトルにあるFred Hutchinson Cancer Center(以下、Fred Hutch)に研究留学をしております。シアトルはアメリカ西海岸北部に位置し、AmazonやMicrosoftをはじめとする世界的な企業が多数拠点を構える都市です。 治安が比較的良く、日本人に対して親しみを持って接してくださる方も多いため、初めての海外生活でも安心して日々を過ごしています。 また、日本食のレストランや日系スーパーも充実しておFred Hutchは、アメリカのがん研究機関の中でも特に高く評価されており、基礎から臨床に至るまで幅広い研究が行われています。 全米各地から患者さんが治療を求めて訪れる施設でもあります。 施設はLake Unionという湖のほとりに位置し、独立記念日には美しい花火を望むことができます。 私は通勤時に湖沿いを歩いており、カナダガンや野ウサギ、亀など多くの野生動物を観察することが日々の楽しみの一つとなっています。私が所属するTsukiyama研究室では、細胞が一時的に有糸分裂周期を離脱し、長期間にわたって分裂を停止する「静止期」の分子機構を研究しています。アワー」などの懇親会を通じて研究者同士の交流も盛んであり、研究室はTsukiyama先生を含めて4名です。 先生の非常にサポーティブなご指導のもと、メンバー間での活発な議論と交流が日常的に行われており、温かく親密な雰囲気に包まれています。 他研究室との合同ミーティングや共同研究も頻繁に行われ、試薬や機材の共有も盛んです。また、Fred Hutchには高度な専門知識を有するコアファシリティと充実した技術支援体制が整っており、新しい実験にも迅速に着手することが可能です。 さらに、毎週開催される「ビール非常にオープンで自由な研究環境が築かれています。最後になりますが、このような貴重な研究留学の機会を与えてくださった上原記念生命科学財団の皆様に心より感謝申し上げます。また、本留学の実現にあたりご指導とご支援を賜りました東京大学定量生命科学研究所の胡桃坂仁志先生をはじめ、関係者の皆様、そしてFred Hutchの皆様、特にTsukiyama先生に深く御礼申し上げます。 今後も、生命科学の発展に微力ながら貢献できるよう、一層の努力を重ねてまいります。 Fred Hutchinson Cancer Center平 野 里 奈東京大学定量生命科学研究所クロマチン構造機能研究分野シアトルでの研究留学←通勤途中に見えるLake Unionアメリカ西海岸 Washingtonり、生活面でも不自由を感じることはありません。77

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