一年のあゆみ_2024年度
80/100

2 0 2 3 年 5 月より米 国 カリフォル ニ ア 州 にある S t a n f o r d University Orthopaedic Surgery, Goodmanʼs Lab.に留学させていただいております。Stanford Universityは、サンフランシスコから約60km南東に位置しており、GoogleやAppleをはじめとする数多くのIT企業がある地域です。 カリフォルニアの空は雲一つないブルースカイが印象的で、夏の間は夜9時頃まで外が明るく時間感覚が分からなくなります。 Stanford Universityのキャンパスの広さは約間を通して様々なイベントが執り行われます。 特にクリスマスにキャンパス内の教会で行われるイベントはとても素晴らしいものでした。研究室はキャンパス内のBiomedical Innovation Buildingの中にあり、広く快適な環境で研究をさせていただいております。 こちらではStanford Universityの臨床教授でもあり、研究室のPrincipal InvestigatorでもあるStuart. B. Goodman先生に御指導をいただいております。 間葉系幹細胞 (MSCs)を使用した骨・軟骨再生の分野でご高名で、特に免疫と骨再生について長年尽力されている先生です。研究に関しましては、主に大□骨頭壊死症(ONFH)に関する病態から診断、治療に関して幅広く行っております。 1年目は遺伝子組み換えによりプレコンディショニングしたMSCsを併用した局所細胞療法の有効性を検討しました。 2024年はONFHに関して副腎皮質ステロイドとの関連性や治療法を中心とした研究を行っております。 副腎皮質ステロイドと酸化ストレスに関連した研究を中心に、放射線科チームと共同でPET/CTを用いた酸化ストレスの追跡を行っております。 また、人工知能(AI)技術を応用し、ONFHの組織画像評価に自動細胞カウントモデルを作成することで作業効率の向上に繋げる報告や、臨床画像に対してAIを応用することで、レントゲン画像からMRI画像を生成し、スクリーニングの段階でONFHを早期発見する研究を行っております。 まだ全ての研究内容を報告はできておりませんが、2年間で6本の筆頭著者論文を執筆いたしました。 臨床から離れて基礎研究を行うことで新たな観点から臨床に向き合うことができることは非常に貴重な時間であったと思います。Stanford Universityには毎年多くの研究者が諸外国から留学しており、外国人研究者と交流し、知り合えたことはとても貴重な財産であると感じております。 また、日本からの留学生も多く、我々の研究室にも現在3名の日本人がおります。 研究室のメンバーは非常に仲が良く、スケートに行ったりNapaに旅行に行ったりしております。 また、アメリカはやはり広大であり、国立公園への旅行やロードトリップはかけがえのない思い出です。 私はイエローストーン国立公園が最も好きな旅行先です。最後になりましたが、このような貴重な留学の機会を与えて下さった神戸大学整形外科の黒田良祐教授、松本知之先生、ならびに医局の先生方、そして留学をご支援くださいました上原記念生命科学財団の皆様に心より感謝申し上げます。Stanford University, School of Medicine篠 原 一 生神戸大学大学院医学研究科整形外科学Stanford大学での留学生活アメリカ西海岸 California33km2(東京ドーム約700個分)と世界第2位の広さがあり、年 78←一番好きな旅行先:イエローストーン国立公園

元のページ  ../index.html#80

このブックを見る