が祝福の雰囲気に包まれます。 カロリンスカ研究所はノーベル私は2024年4月からスウェーデン、ストックホルムにありますK a r o l i n s k a I n s t i t u t e t ( K I ) 、D e p a r t m e n t o f M e d i c a l Biochemistry and Biophysics(MBB)に留学させていただいております。 私の所属する慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室とKI-MBBは以前から交流があり、受け入れ先であるPer Uhlen教授とは以前にお会いしたことがあったため、スムーズに留学生活をスタートすることができました。私の所属する研究室では組織透明化法による3Dイメージングルで観察する新手法”TRISCO”を開発しました。私も癌免疫環境に着目し、癌組織における免疫細胞の分布を3次元で可視化する研究を行っています。 また、同研究室では単一細胞レベルでの空間トランスクリプトーム解析装置を有しており、ヒト癌組織に対する空間トランスクリプトーム解析に取り組んでいます。カロリンスカ研究所は各国から多くの若手研究者を受け入れています。 研究の得意分野を教えあったり、困っているときには最適な相談相手を紹介してくれたり、日常生活のトラブルを助けてくれたりと、同僚と助け合いながら日々を過ごしています。Karolinska instituitet, Department of MedicalBiochemistry and Biophysics髙 松 公 晴スウェーデンにはFIKAというお茶会のような時間を持つ文化があり、上下左右の隔たりなくおしゃべりをしながら研究のアイディアを交換している様子は感銘を受けました。 同時に日々研究者が入れ替わる新陳代謝の速さと競争の厳しさに、研究機関としての強さを垣間見ています。ストックホルムは「北のヴェネツィア」とも称される、美しい運河で区切られたヨーロッパの雰囲気を色濃く感じる歴史的建造物が多くある都市です。 秋にはノーベル賞授賞式が行われ、街中医学生理学賞の選考委員会が設置されることでも知られ、私も受賞公演を聞くことができました。 冬には歴史ある街並みをオレンジの灯りとクリスマスツリーが飾り、北欧の空気を感じられます。 夏には色とりどりの花が咲き、青空が広がります。 執筆当時はまだ冬の最中ですが、徐々に日が長くなってきており、スウェーデンの人々は太陽と夏の訪れを心待ちにしています。新しいことに挑戦する基礎研究では、思うようにいかないことも多くありますが、貴重な経験として残された時間を有意義に使い、精一杯取り組みたいと考えています。最後になりましたが、留学を支援して下っている上原記念生命科学財団、そして慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室の大家基次教授をはじめ諸先生方に深く感謝申し上げます。留学だより〜カロリンスカだより〜←Karolinska Institutet, Aula Medicaヨーロッパ Sweden研究を行っており、RNA分布をマウス全組織かつ単一細胞レベ 84慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
元のページ ../index.html#86