ルでどこまでも移動できるため、気になった場所はどこでも行き私は2024年4月より1年間、オーストラリアのシドニーにあるニューサウスウェールズ大学と研究機関のNeuRAに留学し、Kaarin Anstey教授のもとで高齢ドライバーに関する研究に従事しました。留学のきっかけは前職の国立長寿医療研究センターでの研究で、高齢ドライバーを対象にした研究で自覚的もの忘れの症状と過去の事故との関連がみられ、先行研究にはない知見が得られたことです。 この知見の汎用性を検証すべく、上司の島田裕金に採択されたことで留学が実現しました。研究は、過去に実施された高齢ドライバーの研究プロジェクトのデータならびにコホート研究のデータを使用させていただき、スムーズに進めることができました。 私の英語力はIELTSで5.5のレベル(英検準1級〜2級)でListening能力が劣るものの、研究の相談は主に文書やメールでやり取りできましたので、研究を進める上で英語が障壁となることはありませんでした。 学会やゼミ等を通じて多くの先生とお話できたこと、自身の英語での発表経験を積むことができたことはプラスになりました。オーストラリアは移民国家で世界中の国から人が集まっているため、多様な国の方と交流する機会を持てました。 生活面では、GoogleMapですぐに周辺情報を調べられたこともあり、適応には時間はかかりませんでした。 住む場所は、直接の部屋の内見が必要なために日本にいる間に押さえることができず、現地で探さなければならなかったのは少し大変でした。シェアハウスの一室に住むことができたMaroubraは、スーパーや芝生の公園、観光スポットでもあるきれいなビーチも近く環境がよかったです。 その後、周りの夜間の生活音がうるさく12月に違う家に引っ越すなど、多少のトラブルはありました。観光では、海や国立公園、内陸のブルーマウンテンなど、少し足を運べば沢山のきれいな景色を見ることができ、余暇をとても充実させることができました。 公共交通のICカード(Opalカード)を使えば、週末のニューサウスウェールズ州内は上限9.35ドました。 一番思い出になったのは写真の年越し花火で、世界的に有名な一大イベントを見ることができました。 ハーバーブリッジとオペラハウスから上がる花火は圧巻でした。また、留学先の研究所やシドニー周辺の大学に多くの日本人の研究者が在籍しており、外部との交流も充実していました。 オーストラリア、ニュージーランドを含むオセアニアの日本人研究者の交流を深めるための会があり、食事会などを通じていろいろなお話を伺う機会を持てました。 様々な分野の先生のお話は視野を広げるものでした。このようにシドニーは、観光や日本人研究者のネットワークといった点で環境が充実していますので、研究留学を考えている方の参考になれば幸いです。 ご一読ありがとうございました。University of New South Wales (UNSW)Neuroscience Research Australia (NeuRA)栗 田 智 史国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター予防老年学研究部シドニーへの研究留学オーストラリア Sydney之先生と面識のあったAnstey教授に研究を申し出て、留学助成 89 ←シドニーの年越し花火の様子
元のページ ../index.html#91