当財団は1983年3月に他界いたしました上原正吉氏の足跡を記念するとともに、大正製薬株式会社の創業70周年事業として、社会貢献の一環で1985年2月に設立いたしました。正吉氏は、50有余年におよぶ会社経営と30年にわたる国会議員としての体験を通して、わが国の科学技術の重要性を痛感し、その振興に努めました。とりわけ科学技術庁長官として科学技術行政に携わる中で、資源の乏しい日本が世界で繁栄していく為には衆知を集めた科学技術の振興以外に道はないとの思いを強くしておりました。また、上原小枝氏(初代理事長)は終始これを献身的に支えました。こうした故人の遺志をも生かし、微力ながら生命科学の発展のお役に立ちたいと念願しております。事業活動基本財産の収益金により1985年度から生命科学に関する研究に従事される方々への研究助成を中心に、研究功績をあげられた方への褒賞(上原賞)や国際シンポジウムの開催等、事業活動を進めて参りました。助成金等につきましては、研究者の皆様のご要望に応え、内容の充実に努めております。2023年度は大正製薬ホールディングス株式会社の配当金収入で、総額12億7,865万円の助成を行いました。設立以来の助成事業支出と助成金受領者はそれぞれ約371億円、約11,500件となりました。関係各位のご協力に深く感謝申し上げます。2023年度の上原賞・助成金贈呈式(2024年3月11日)は大正製薬2号館の「上原記念ホール」で開催致しました。今後の方針今後も引き続き理事長として公益法人の名にふさわしい事業の向上・充実に努めて参る所存です。皆様のご支援、ご鞭撻をお願い申し上げます。2024年8月理事長 上原 明設立の経緯はじめに
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