一年のあゆみ2023
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34本年、上原賞を受賞されます岩坪 威先生、西川 博嘉先生のこれまでのご功績に深甚の敬意を表しますとともにご受賞を心よりお祝い申し上げます。上原賞は当財団発足時より、顕著な功績をあげ、引き続き活躍中であり、今後さらなる飛躍が期待される日本人研究者に贈る事とされております。この考え方で今まで66名の先生が受賞されておられます。また先生方を支えておられます奥様方にも、改めてお祝いを申し上げます。今後益々のご研究の発展をお祈りしております。次に、助成金を受領されます皆様方でございますが、本年度は1242名の応募者の中から厳正な選考により324名の方が採択されました。お慶び申し上げます。今後のご研究が発展し、世界の患者さまに光明をもたらすという意味で、その成果を心待ちにしております。中でも海外留学助成を受けられ、これから海外で研究生活を始める皆様におかれましては、海外での更なるご発展を期待しております。私の経験からも、海外留学は皆様にとって大きなチャンスとなる可能性がございます。いろいろな国の文化や考え方、宗教等に接して別の世界を知ることによって、人間としての幅が広がり、先生方の大きな財産となり、帰国後の更なるご活躍に大きな糧となることを期待しております。さて、上原記念生命科学財団は1985年に設立され、ちょうど今年で39年になります。ここにございますのは、故上原正吉とその夫人、小枝の写真でございま理事長の上原明でございます。2023年度贈呈式のご案内を申し上げましたところ、皆様方には大変ご多忙の中をお繰り合わせの上ご出席下さいまして、誠に有難うございます。す。上原正吉翁は、大正製薬という企業を大きく成長させてくれた、当社にとって偉大な存在のオーナーでございました。会社経営と同時に、参議院議員を30年間務めましたが、その間1965年に第2次佐藤内閣の科学技術庁長官を拝命致しました。その時の経験により、資源のない日本にとって研究・開発そして技術が日本の発展にとっては欠かせない条件であるという事を強く強く思いそして亡くなりました。その遺志を受け継ぎ、夫人である上原小枝名誉会長が当財団を設立し、当時の名取禮二先生、江橋節郎先生を初め、医療や薬学の関係分野をはじめ多くの先生方にご指導を頂きながら、本日まで続けることができました。日本の経済成長は、1990代以降GDPが長い間鈍化し続けて参りましたが、そのような時代においても、成長し続けている企業が存在しています。それらはかつての重厚長大主流から、主にIT産業あるいは研究技術の領域を中心に活躍している企業が多いことが判ります。まさに研究、技術開発によって新しい分野を開くことの重要性を今さらながら実感しております。当財団は多くの研究者、なかでも若手研究者に重点を置いて助成しており、これまで差し上げた助成金は、累計で約1万1千件を超え、約371億円に上ります。このような支援が継続できましたのも、ひとえに、当財団の役員・評議員はじめ皆様方の温かいご支援、ご指導の賜物と、ここに厚く御礼申し上げます。特に選考委員の先生方には、お一人100件〜200件もの選考をお願いした上、2日間に及ぶ選考委員会の審議によって決定頂きました。ここに心からの謝意を表する次第でございます。理事長といたしまして、今後とも引き続き公益財団法人の名にふさわしい事業の向上・充実に努めてまいる所存でございます。何卒、格別のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、切にお願い申し上げます。終わりに臨みまして、今回受賞されました先生方のご健勝とご研究の発展を祈念いたしまして私のご挨拶とさせていただきます。理事長挨拶10)上原賞贈呈式上原 明 理事長 

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