一年のあゆみ2023
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39発表するようにもなりました。後になって、彼らとは互いに協力してこの分野を作っているのかもしれないと思うようになり、Old博士の言葉の重みをしみじみと感じたものです。最近は日本人の若い研究者が海外留学しなくなったと言われます。日本国内には海外の研究室に決して引けを取らない優れた研究室が数多くありますので、国内で実績を積むことも重要な選択肢です。一方で、海外に一定期間滞在し、異国での文化に触れながら研究をすることは貴重な経験にもなると思います。私自身は留学先のメンターに恵まれ、1995年まで8年間スウェーデンに滞在し、帰国した後もずっと共同で研究を行ってきました。大学の教授職を退任した現在も共同研究を続け、年に何回もスウェーデンに行くことを楽しみにしています。近年は、生命科学の分野のみならずさまざまな分野で日本の研究力の低下が話題となり、対応策が議論されています。今日、集まられたみなさまには今回の受賞を機に、ぜひ、国際的に広い視野で研究を続け、さらなる発展を遂げられることを期待いたします。以上、簡単ではございますが、上原記念生命科学財団並びに本日お集まりの皆様のますますのご発展を祈願致しまして、私のお祝いの言葉とさせて頂きます。本日は誠におめでとうございます。

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