一年のあゆみ2023
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良く、日本と変わらないぐらいの印象です(夜中も特に問題なく出歩けます)。日本人向けのスーパーやラーメン屋をはじめとした飲食店も多く、またボストンは街としてはかなり小さいので基本的には電車・バス・シェアサイクル・徒歩で十分に生活は可能です。冬は寒いですが(マイナス10度以下)、それ以外の季節は過ごしやすく、日本の蒸し暑い夏が苦手な私にとってはとても快適に過ごせています。また、ボストンはハーバード大、MIT、ボストン大といったトップレベルの大学・研究機関の多いエリアであり、異なる専門性をもつアカデミア・企業研究者と知り合う機会が多いです。週末は研究者同士で飲んだりして充実した生活を送っています。他の州はほとんどわからないのであくまで個人的な感想ですが、日本人にとってボストンはかなり留学しやすいエリアだと思います。このようにボストンはとても生活しやすいのですが、家賃は非常に高いです。特に円安の影響もあり(この1年間で約130円/ドルが160円/ドル)、フェローシップ等で給料の多くを日本円でもらっている場合はかなりクリティカルになっています(加えて渡米までに書類関連・航空運賃の費用で数十万円程度はかかります)。家賃はボストン中心部だとStudio(日本で言うワンルーム)の最低でも月2500-3000ドルくらいはかかります(入居する時期で変動)。私は職場近くのStudioに住みましたが、職場まで1時間以上かけて通勤しているポスドクの方もいるようです。単身であれば、家賃を抑えるためにシェアハウス(1000-1500ドル程度)で留学前は助教として働いていたので、授業・実習や会議、学生への実験指導など、研究に集中できないと感じることも多くありました。一方、留学後は、朝から晩まで研究に没頭でき、早朝にはランニングやジムにいく余裕もあります(休息も日本にいたときよりも取れています)。研究に専念したいという方には、まずは思い切って留学してみるというのも有りかと思います。現在のラボは研究リソース面に限っては私がこれまで所属していた日本のラボとはあまり大差は感じません。しかし、研究室内外での連携・協力関係については日本より長けているように思えます。なにより研究に関して論文化までのスピード感があり、PIのメンタリング能力も高いことから、実績を積みつつ、研究者としての能力を高めていける環境と感じます。最後に留学にあたり、ご支援いただきました上原記念生命科学財団の皆さまならびに関係者の皆さまに深く感謝申し上げます。住む方もいます。また物価も高く、チップも20-22%程度は必要なので基本的には外食はせず自炊がメインになります。そのため、food pantryやaffordable housingといった支援制度を活用して生活している方も多いようです。なお、私の所属を含め博士号取得者の給料はNIH基準のポスドク給料(多少前後はあります)で決まっているため、単身(私の場合、現時点では妻と子は日本国内)であれば十分生活できると思います。研究環境77アパートの近所の河川敷(ランニングコース)

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