テキサス州ダラスにあるUniversity of Texas Southwestern/Texas Scottish Rite for Childrenでの留学を始めてから早くも10ヶ月が経ちました。ダラスにはトヨタの北米本社をはじめとする多くの日本企業があり、日本人にとって非常に恵まれた環境です。アジアンスーパーマーケットや日本食レストランが豊富にあるため、快適な毎日を過ごしています。私が所属するDr. Harry Kimのラボでは、豚を使用した大腿骨頭壊死症のモデルを使って、手術による骨再生の方法を確立しようとしています。また、生体工学を駆使して骨形成タンパク質を届ける新しい技術の開発にも携わっています。ラボには私を除くと医師がおらず、PhDの研究者たちと臨床の意義について議論することが、日々新鮮で刺激的です。日本で何気なく行っていた手術が、研究者の視点から見るとまた違った意味を持つのが興味深いです。仕事の後は週に2回、英語を学ぶためのESLクラスに参加しています。英語で英語を学ぶこの経験は、日本の学校で学んだ英語の授業とは違って生きた英語が学べます。また、週末は日米言語交流のMeetupグループに参加することで多くの友人を作ることができました。プライベートでは、初めての子供を授かりました。慣れない医療体制の中、予約が取りにくい、エコーの回数が少ないなどの多くの困難に直面しました。しかし、チームワークが整った医療体制のおかげで、質の高い医療を受けることができ、とても満足しています。4万ドルの請求書が来るまでは……(保険で1割負担となりました)。これからも家族と協力して楽しく充実した日々を過ごしたいと思います。末筆ではありますが、このような貴重な機会を与えてくださいました上原記念生命科学財団の皆様に厚く御礼申し上げます。87宇佐美 琢也University of Texas Southwestern/Texas Scottish Rite for Children(名古屋市立大学医学部整形外科講座)愛犬と一緒にグランドキャニオンに旅行に行きました!米国での生活を振り返り
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