Colorado州のUniversity of Colorado Anschutz Medical Campus に留学する機会をいただき、2022年10月に留学を開始しました。慶應義塾大学で大学院を修了し、東京医科歯科大学で引き続きゲノムを用いた解析でポスドクをしていた中で、Computational Biologyを研究のフォーカスとするのであれば、シングルセル解析の経験が必要だと考え、現所属ラボのPIであるFan Zhang博士に連絡をとりました。幸いなことに、先に留学から帰国された先生が共通の知人であったため、話はスムーズに進み、連絡を取り始めてから半年ほどで渡米という流れでした。現在は、関節リウマチの方々から得られた検体から測定された様々なシングルセルデータと対応するゲノムデータを対象に解析を進めております。留学して最初にみなさん苦労されるのは生活のセットアップかと思います。家が決まるまでホテル暮らしというのはよくあるかと思いますが、私の場合は、節約のために民間宿泊サービスを利用しようと考えました。運よく日本人の70歳代のご夫婦がホストされている家が見つかり、すぐに申し込みました。その方は、30歳代で日本からColorado州に移住した後、Colorado州に短期・長期でくる日本人の多くの方をサポートされている、とても親切なご夫婦でした。私も渡米してから、現地の日本人の方を紹介していただいたり、車の購入や家の決定などもサポートしていただき、今も定期的に家族でお会いしています。このような、研究とは直接関係のないところでできたご縁も、留学のいいところかと思います。上原記念生命科学財団に心より感謝申し上げます。Colorado州は、渡米が決まるまではあまりどういう場所か知りませんでした(そもそもアメリカに来るのも学会程度でした)。実際に住んでみると、全体的に治安もよく、妻と子供もよくいろんな公園に仲良くしていただいている友達と出掛けています。日本食スーパー・レストランも複数あり、スポーツも盛ん(MLBやNBAのチームがあります)で、自然も多く(車で1―2時間ほどのところにハイキングができる山がたくさんあります)、ここ数年でアメリカの中からの移住者も急速に増えています。また、基本的にカラリと晴れているので、大変なことがあっても外に出ると気分も晴れやかになります(これは研究者にとってとてもありがたいことです)。最後に、このような貴重な留学生活を支援いただいた88稲毛 純University of ColoradoAnschutz Medical Campus(東京医科歯科大学難治疾患研究所ゲノム機能多様性分野)近所の公園で凧揚げを楽しむ子供コロラド州における留学生活
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